楽楽販売からの乗り換えガイド|AI-OCRで手書きFAX注文書の手入力をゼロにする方法

「楽楽販売」が全く楽じゃない理由
楽楽販売は優れた受発注管理システムですが、全ての企業の業務フローに最適とは限りません。特に、FAXやメールで届く注文書を手動でシステムに入力している企業にとって、「楽楽」とは程遠い現実があります。
ある商社では、1日平均50件の注文をFAXとメールで受け取っていました。楽楽販売に手動で入力する作業に、担当者2名が午前中いっぱいを費やしていたのです。注文書のフォーマットは取引先ごとに異なり、手書きの注文書も少なくありません。商品名、数量、納期、配送先——これらを一つずつ確認しながら入力していく作業は、単調で疲れる上にミスも発生しやすいものでした。
「楽楽販売を導入すれば業務が効率化される」と期待して契約したものの、実際には受注業務の根本的な課題——注文書の手入力——は何も解決されなかったのです。システムの中でのデータ管理は確かに楽になりましたが、システムにデータを入れるまでの工程が依然として手作業であれば、省人化は実現しません。
楽楽販売で省人化できない3つのボトルネック
楽楽販売の機能不足というより、受注業務の特性とシステムの設計思想のミスマッチが問題です。
ボトルネック1:AI-OCR機能の不在
楽楽販売は、データ管理と帳票作成に優れたシステムですが、注文書の自動読取り機能は標準では搭載されていません。FAXやメールで届いたPDF・画像の注文書を、人間が目で見て手動でシステムに入力する——この工程は完全に手作業のままです。
AI-OCRを搭載したシステムなら、注文書をアップロードするだけで、商品コード、商品名、数量、納期、配送先などが自動的に読み取られ、システムに登録されます。フォーマットが異なる注文書でも、AIが学習して項目を認識するため、取引先ごとに設定を変える必要もありません。
手書きの注文書であっても、最近のAI-OCRは90%以上の精度で読み取れます。残り10%は人間が確認して修正すれば良く、ゼロから全て入力するのに比べれば工数は10分の1以下になるのです。
ボトルネック2:多様なフォーマットへの対応困難
取引先が30社あれば、注文書のフォーマットも30種類あると考えるべきです。Excelファイル、PDFファイル、FAXの画像、メール本文に直接記載——形式も内容も全て異なります。
楽楽販売に限らず、従来の受発注システムでは「標準フォーマット」を用意し、取引先にそのフォーマットで注文してもらう前提で設計されています。しかし現実には、長年の取引がある顧客に「当社のフォーマットに変更してください」と依頼することは困難です。顧客側にも業務フローがあり、注文書フォーマットを変更するには社内調整が必要だからです。
AI-OCR搭載システムなら、どんなフォーマットの注文書が来ても、AIが項目を推測して読み取ります。「商品コードは左上、数量は右側、合計金額は最下部」といった位置情報をAIが学習するため、初めて見るフォーマットでも一定の精度で読み取れるのです。
ボトルネック3:受注データの二重入力
楽楽販売に受注データを手入力した後、別の会計システムや在庫管理システムにも同じデータを入力している——このような二重入力が発生していませんか。
システム間のデータ連携がスムーズに機能していれば、受注データは一度入力すれば全てのシステムに反映されるはずです。しかし、楽楽販売と他システムの連携がうまく設定できていない場合、結局は手動でデータを転記する羽目になります。
AI-OCRで受注データを自動取得し、それを各システムに自動配信できる仕組みがあれば、二重入力は完全に解消されます。
AI-OCR搭載システムへのリプレイス 3つのメリット
楽楽販売から、AI-OCR機能を持つシステムにリプレイスすることで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
メリット1:受注入力工数が90%削減
1日50件の注文を手入力していた作業が、AI-OCRにより自動化されます。人間がやるべきことは、読取り結果の確認と、AIが認識できなかった項目の補正だけです。
従来は1件あたり5分かかっていた入力作業が、確認・補正だけなら1件30秒で完了します。1日あたり250分かかっていた作業が、25分に短縮される——これが90%削減の実態です。
削減された時間を、顧客対応や営業活動に振り向けることができれば、売上増加にも直結します。単なるコスト削減ではなく、付加価値業務への時間再配分が実現するのです。
メリット2:入力ミスによるクレームがゼロに
人間が手入力する限り、商品コードの打ち間違い、数量の桁間違い、配送先の誤記——こうしたミスは避けられません。1日50件の入力のうち、1〜2件は何らかのミスが発生していると考えるべきです。
AI-OCRは、一度学習した項目を安定して認識します。商品コードは数字の並びとして認識し、数量は「個」「箱」などの単位とセットで認識します。人間のように疲れて集中力が落ちることもなく、朝一番の1件目も午後の50件目も同じ精度で処理します。
入力ミスが原因の誤発注、誤配送、納期遅延——これらのクレームがゼロになれば、顧客満足度も大きく向上します。
メリット3:新人教育コストの削減
受注入力業務は、一見単純に見えて実は奥が深い作業です。取引先ごとの商品コード体系、略称の正式名称への変換、配送先の住所表記ルール——これらを新人に教えるには、数週間のOJTが必要でした。
AI-OCRが導入されれば、新人がやるべきことは「AI が読み取った結果を確認する」だけです。明らかに間違っている箇所だけを修正すれば良く、複雑なルールを全て覚える必要はありません。初日から戦力になれる——この即戦力化が、人材採用・育成コストの削減につながります。
システムリプレイスの失敗パターンと成功の秘訣
楽楽販売からの乗り換えを検討する際、よくある失敗パターンを知っておけば、同じ轍を踏まずに済みます。
失敗パターン1:AI-OCRの精度を過信する
AI-OCRは魔法ではありません。初期状態での読取り精度は70〜80%程度であり、残り20〜30%は人間の確認・修正が必要です。
「AI-OCRを導入すれば完全自動化できる」と期待して導入すると、「思ったより人手がかかる」と失望することになります。現実的な期待値は「手入力工数が90%削減される」であり、残り10%の確認作業は必要だと認識しておくべきです。
ただし、AI-OCRは使えば使うほど学習して精度が向上します。導入初月は80%の精度でも、3ヶ月後には90%、半年後には95%——このような改善曲線を描くことを理解しておきましょう。
失敗パターン2:既存業務フローを全く変えない
楽楽販売での運用フローをそのまま新システムに移植しようとすると、AI-OCRのメリットを十分に活かせません。
例えば、従来は「FAXを受信→印刷→手入力→原本をファイリング」という流れだった場合、新システムでは「FAXを受信→AI-OCR読取り→確認→データ保存」という流れに変えるべきです。紙に印刷する工程は不要になり、ファイリングもデジタルデータとして保存すれば済みます。
業務フローの再設計とシステム導入を同時に進めることで、真の効率化が実現します。
失敗パターン3:取引先への説明を怠る
システムをリプレイスしても、取引先は従来通りの方法で注文書を送ってきます。しかし、新システムでAI-OCRの精度を高めるには、できれば注文書をPDFやメール添付で送ってもらう方が望ましいのです。
「当社はシステムを刷新しました。今後は注文書をメール添付でお送りいただけると、より迅速に対応できます」——この一言を主要取引先に伝えるだけで、FAXの比率が下がり、AI-OCRの処理効率も上がります。
取引先に負担をかけない範囲で、協力を依頼する姿勢が成功の鍵です。
成功の秘訣1:段階的導入で精度を高める
いきなり全ての注文書をAI-OCRで処理するのではなく、まずは特定の取引先5社の注文書だけをAI-OCRで処理してみます。この5社の注文書でAIを学習させ、精度が90%を超えたら次の5社に拡大する——この段階的アプローチが安全です。
3ヶ月かけて全取引先の注文書に対応できるようになれば、その頃にはAIの精度も十分に高まっています。
成功の秘訣2:確認作業の標準化
AI-OCRが読み取った結果を確認する作業にも、標準的な手順を設けましょう。「商品コードの桁数が正しいか」「数量が異常な値になっていないか」「配送先住所が実在するか」——このチェックリストに沿って確認すれば、見落としも減ります。
確認作業を効率化することで、残り10%の人的作業も最小化できます。
成功の秘訣3:ベンダーサポートの活用
AI-OCRの精度が上がらない、特定のフォーマットがうまく読み取れない——こうした問題が発生したら、すぐにベンダーのサポートに相談しましょう。
多くの場合、AIの学習パラメータを調整する、読取り設定を微調整する、といった対応で解決できます。自分たちだけで悩まず、プロの力を借りることが導入成功の近道です。
楽楽販売との機能比較 押さえるべき5つのポイント
リプレイス先のシステムを選定する際、楽楽販売と比較して必ず確認すべきポイントがあります。
ポイント1:AI-OCR機能の実力
「AI-OCR搭載」と謳っていても、実際の精度は製品によって大きく異なります。デモンストレーションで、自社が実際に受け取っている注文書を読み込ませてみましょう。
手書きの注文書、FAXで荒れた画像、斜めに読み取られたスキャンデータ——こうした「悪条件」でどれだけ正確に読み取れるかが、実用性の指標です。きれいに印刷された注文書だけで精度を測っても意味がありません。
ポイント2:発注書作成機能の使いやすさ
楽楽販売の発注書作成機能に慣れている場合、新システムでも同等以上の使いやすさが求められます。テンプレートの自由度、PDFエクスポートの品質、メール自動送信機能——これらを実際に操作して確認しましょう。
「受注は自動化されたが、発注は使いにくくなった」では本末転倒です。
ポイント3:データのインポート/エクスポート機能
楽楽販売から新システムへのデータ移行、新システムから会計システムへのデータ出力——これらがスムーズにできるかを確認します。
CSV形式での一括エクスポート、項目のカスタマイズ、定期自動エクスポート——これらの機能があれば、他システムとの連携も容易です。
ポイント4:スマートフォン対応の充実度
外出先で受注状況を確認する、顧客からの問い合わせに即座に回答する——こうした場面でスマホ対応は重要です。
単に「スマホで見られる」だけでなく、スマホ専用の画面デザイン、タッチ操作への最適化、通知機能——これらが充実しているシステムを選びましょう。
ポイント5:従業員30名規模での料金体系
従業員30名全員がシステムを使う場合、ユーザー数課金の製品では月額料金が高額になります。「アカウント数無制限」「定額制」といった料金体系の製品も検討しましょう。
初期費用と月額費用のバランス、従業員が増えた場合の追加料金——これらを明確に提示してもらい、3年間のトータルコストで比較すべきです。
リプレイス時期の見極め方
楽楽販売からのリプレイスを「いつ実行するか」は重要な判断です。
今すぐリプレイスすべきサイン
以下の状況が一つでも当てはまるなら、早急にリプレイスを検討すべきです。
- 受注入力作業に毎日2時間以上かかっている
- 入力ミスによるクレームが月に3件以上発生している
- 新人の受注業務研修に2週間以上かかっている
- FAX・メールでの受注が全体の70%以上を占めている
- 手書きの注文書が月に50件以上ある
これらの状況では、AI-OCR導入による効果が明確に出るため、投資回収も早期に実現します。
もう少し様子を見ても良いサイン
以下の場合は、焦ってリプレイスする必要はありません。
- 受注の大部分が電話やWebフォーム経由である
- 注文書のフォーマットが統一されており、入力作業が比較的楽
- 楽楽販売の機能に大きな不満がない
- 従業員が現在のシステムに十分慣れている
現状のシステムで業務が回っているなら、AI-OCR技術がさらに成熟するのを待つのも一つの選択です。
まとめ:楽楽販売の次に選ぶべきシステム
楽楽販売は優れたシステムですが、FAX・メールでの受注が多く、手入力に時間を取られている企業には、AI-OCR機能を持つシステムへのリプレイスが最適解です。
受注入力工数を90%削減し、入力ミスをゼロに近づけ、新人教育コストを大幅に削減する——この3つのメリットは、AI-OCRでしか実現できません。楽楽販売で培ったデータ管理のノウハウを活かしつつ、受注業務の自動化という次のステージに進む時が来ているのです。
情報収集段階だからこそ、複数のシステムを比較し、自社に最適な製品を見極めることができます。デモを実際に見て、自社の注文書で精度を確認し、導入後のサポート体制を確認する——この慎重なプロセスが、リプレイス成功の鍵なのです。
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