不動産管理の入金・送金自動化|賃貸名人の限界を超える銀行API連携システム【2ヶ月構築】

不動産管理業において、毎月の家賃入金確認とオーナーへの送金業務は、最も時間がかかる定型作業の一つです。特に管理戸数が増えるにつれて、入金確認に何時間もかかり、手数料計算のミス、送金漏れといったトラブルも発生しやすくなります。従業員30名未満の中小不動産管理会社では、経理担当者1~2名がこの作業に追われ、他の重要業務に手が回らないという状況も珍しくありません。
多くの企業が賃貸名人などの既製パッケージシステムを導入しますが、実際には「精算処理に対応していない」「滞納管理が複雑」「修繕費の相殺ができない」といった理由で活用できず、結局Excelや手作業に戻ってしまうケースが後を絶ちません。特に500~1000名規模のオーナーを抱える企業では、イレギュラーな処理が毎月必ず発生するため、柔軟性のないパッケージでは対応しきれないのです。
この記事では、銀行API連携を活用した入金自動取得から、手数料計算、オーナーへの自動送金まで、一連の業務フローを自動化する方法を解説します。2026年3月からの運用開始を目指す企業向けに、2ヶ月で構築可能な現実的なアプローチをご紹介します。
賃貸名人などパッケージシステムの限界とスクラッチ開発の必要性
不動産管理業向けのパッケージシステムは、標準的な家賃管理業務には対応していますが、実務で頻繁に発生するイレギュラー処理には弱いという特徴があります。
例えば、入居者が修繕費を立て替えた場合、次月の家賃からその金額を差し引いて精算する必要がありますが、多くのパッケージではこの処理を手動で行わなければなりません。また、滞納が発生した場合、翌月に2ヶ月分を入金されることもありますが、システム上では1ヶ月分の入金しか想定されていないため、手作業での調整が必要になります。
さらに、オーナーごとに異なる管理手数料率の設定、複数物件を所有するオーナーの一括送金、銀行振込手数料の負担ルール(オーナー負担か管理会社負担か)など、細かい条件設定が必要になりますが、パッケージでは柔軟に対応できないケースが多いのです。
こうした理由から、業務フローに完全に合致したスクラッチ開発システムを検討する企業が増えています。特に銀行API連携による入金自動取得、柔軟な手数料計算ロジック、オーナーへの自動送金機能を組み合わせれば、従来数日かかっていた作業を数時間に短縮できます。
銀行API連携による入金情報の自動取得
従来の入金確認業務では、毎朝インターネットバンキングにログインして入金明細をダウンロードし、Excelに転記して誰からの入金かを手作業で照合していました。この作業だけで毎月10~20時間を費やしている企業も珍しくありません。
銀行API連携を活用すれば、入金があった瞬間にシステムが自動で情報を取得し、入金者を特定できます。具体的には、振込人名義、金額、入金日時などの情報をAPIで取得し、事前に登録されている入居者マスタと自動照合します。完全一致すれば自動で紐付け、曖昧な場合はアラートを出して人間が判断するという仕組みです。
主要な銀行のAPI連携サービスには、全銀EDIシステム、GMOあおぞらネット銀行API、住信SBIネット銀行API、楽天銀行APIなどがあります。これらのAPIを活用すれば、リアルタイムでの入金確認が可能になり、月末の締め作業も大幅に効率化されます。
ただし、銀行API連携には月額利用料や初期費用がかかる場合があるため、取引量に応じたコスト試算が必要です。また、セキュリティ要件も厳格なため、認証トークンの管理やアクセスログの保存など、適切な設計が求められます。
手数料計算と明細自動作成の仕組み
入金が確認されたら、次は管理手数料を差し引いた金額を計算し、オーナーへの支払明細を作成します。この処理は一見単純ですが、実務では様々な条件分岐が発生します。
まず、基本的な家賃の場合は「入金額×管理手数料率」という単純計算ですが、修繕費の相殺があった場合は「(家賃-修繕費)×管理手数料率」という計算になります。また、滞納が発生していた場合は、過去の未払い分を優先的に充当するのか、当月分として処理するのか、というルールも必要です。
さらに、共益費や駐車場代など家賃以外の項目がある場合、それぞれに対する手数料率が異なることもあります。オーナーによっては「家賃は5%、共益費は手数料なし」といった個別設定が必要なケースもあります。
Wikiだるまの受発注・入金管理機能では、こうした複雑な計算ルールを柔軟に設定できるワークフローエンジンを搭載しています。オーナーごと、物件ごと、項目ごとに異なる計算式を登録しておけば、入金データから自動で正確な明細が作成されます。また、修繕費や滞納といったイレギュラー処理も、専用の画面から簡単に登録でき、次回の計算に自動反映されます。
500~1000名のオーナーへの自動送金処理
明細が確定したら、最後はオーナーの銀行口座へ実際に送金する処理です。手作業で500~1000件の振込データを作成するのは非現実的なため、全銀フォーマット(固定長またはCSV)による一括振込が一般的です。
ただし、全銀フォーマットの作成には細かいルールがあり、銀行コードや支店コード、口座種別(普通・当座)、口座番号の桁数など、一つでも間違えると振込エラーになります。また、振込依頼人名(オーナーに表示される名義)の設定や、振込手数料の負担者設定なども必要です。
Wikiだるまでは、オーナーマスタに登録された口座情報を基に、全銀フォーマットを自動生成します。振込実行日を指定すれば、その日に合わせたフォーマットファイルがワンクリックでダウンロードでき、インターネットバンキングにアップロードするだけで一括送金が完了します。
また、送金履歴も自動で記録されるため、「いつ、誰に、いくら送金したか」を後から確認することも容易です。万が一振込エラーが発生した場合も、エラーリストが自動生成され、該当のオーナーだけを修正して再送信できます。
現金回収や滞納管理など柔軟な入金パターンへの対応
銀行振込だけでなく、直接現金を回収しに行くケースや、コンビニ払い、クレジットカード払いなど、多様な入金パターンに対応する必要があります。特に滞納が発生した場合は、入居者と直接交渉して分割払いの合意をするケースもあり、その記録を正確に残すことが重要です。
Wikiだるまでは、入金方法ごとに専用の登録画面を用意しています。現金回収の場合は、回収日、回収者、回収金額を記録し、領収書番号も紐付けられます。分割払いの場合は、合意した支払スケジュールを登録しておけば、毎月の入金予定額が自動で表示され、入金があったかどうかを一目で確認できます。
また、滞納者に対する督促業務も管理できます。督促状の送付履歴、電話連絡の記録、訪問日時などを時系列で記録し、次回のアクション予定日をリマインダー通知する機能もあります。これにより、滞納対応の属人化を防ぎ、担当者が変わってもスムーズに業務を引き継げます。
2ヶ月で構築可能な最小構成と段階的拡張戦略
2026年3月からの運用開始を目指す場合、逆算すると2026年1月から開発を始める必要があります。2ヶ月という短期間で確実に稼働させるには、最小限の機能から始めて段階的に拡張する戦略が有効です。
第1フェーズ(2ヶ月)では、銀行API連携による入金自動取得、基本的な手数料計算、全銀フォーマット出力による一括送金という3つの核心機能に絞ります。この時点では、修繕費の相殺や滞納処理は手動入力で対応し、システムはあくまで「正常な入金パターン」のみを自動化します。
第2フェーズ(3~4ヶ月目)では、イレギュラー処理の自動化に取り組みます。修繕費の相殺ルール、滞納時の充当ルール、分割払いの管理機能などを追加します。また、現金回収やコンビニ払いなど多様な入金方法にも対応します。
第3フェーズ(5~6ヶ月目以降)では、オーナー向けのWebポータルや、入居者向けの家賃支払い画面など、周辺機能を拡充していきます。また、保守運用体制を確立し、月次でのシステム改善サイクルを回します。
この段階的なアプローチなら、最初の2ヶ月で確実に基本機能を稼働させ、その後の運用実績を踏まえて追加機能を開発できます。また、初期投資を抑えつつ、必要な機能だけを段階的に追加できるため、予算管理もしやすくなります。
開発後の保守運用とシステム改善の重要性
システムは構築して終わりではなく、運用開始後の保守とアップデートが長期的な成功の鍵となります。特に不動産管理業では、法改正(民法改正、電子契約法など)や銀行システムの仕様変更(API仕様の更新)が定期的に発生するため、継続的なメンテナンスが不可欠です。
保守運用契約には、通常以下の内容が含まれます。第一に、障害対応です。システムが停止した場合の緊急対応や、バグ修正を行います。第二に、定期メンテナンスです。サーバーのOS更新、セキュリティパッチ適用、データベースのバックアップなどを定期的に実施します。第三に、機能改善です。運用開始後に「こういう機能が欲しい」という要望が出てきた場合、優先度をつけて順次開発します。
Wikiだるまでは、SaaS型の受発注・入金管理システムとして、これらの保守運用を全て含んだ月額料金体系を採用しています。お客様側でサーバー管理やシステム保守を行う必要がなく、常に最新の機能とセキュリティ対策が適用された状態で利用できます。また、法改正対応も自動で反映されるため、安心して業務に集中できます。
まとめ
不動産管理業における家賃の入金管理とオーナー送金業務は、銀行API連携と柔軟な計算ロジックを組み合わせることで大幅に自動化できます。既存のパッケージシステムでは対応できなかった精算処理や滞納管理も、業務フローに合わせたカスタマイズで解決可能です。
2026年3月からの運用開始を目指すなら、今から要件定義を始め、2ヶ月の開発期間で最小構成を稼働させる戦略をお勧めします。500~1000名のオーナーへの自動送金も、全銀フォーマット出力機能があれば確実に実行できます。
Wikiだるまは受発注管理だけでなく、入金管理・送金管理にも対応しており、不動産管理業のニーズにも柔軟に対応できます。まずは無料デモで、銀行API連携の実際の動きや、手数料計算の柔軟性をご確認ください。
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